19の夏~私の愛した殺人鬼~
霊安室の中はヒヤリと冷たくて、薄暗かった。
二人の後から部屋に入った看護士が、無言のまま明かりをつける。
パッと照らし出された部屋で、真ん中にポツリと置かれた白いベッドが、輝くほど眩しく見えた。
その、輝くベッドの上にイトコの昌代は眠っている。
心だけが遠く遠く離れた世界へ行ってしまい、入れ物だけになったその体。
主を失った肉体は、ただ腐り、くち果てるのを待つだけだ。
「お姉ちゃん……」
そっとベッドへ近づいていく。
その後ろ姿が、はかなく散りゆく黒薔薇に見えた。