19の夏~私の愛した殺人鬼~
冷房器具のない部屋はどんどん気温が上昇し、背中から汗が滴り落ちていく。
鳴きはじめたばかりのセミの声が、更に苛立ちを倍増させた。
「何が気に入らねぇってんだ!? 仕事が入ったつってんだろうがよ!」
暑さに耐えかねて、シャツを脱ぎ、上半身裸になる。
ここには自分とネコしかいない。
かまうもんか。
少々無駄な脂肪が目立つようになった腹部に、筋肉質な二の腕がミスマッチに付いている。
唯一筋肉の残るその腕で、こんしんの力を込めてドアをたたきつけた。
チクショウ、この強情っぱりめが!