19の夏~私の愛した殺人鬼~

☆☆☆

 冬我が嫌味を言い返した、その時だった。


 微かに、外から人の声が聞こえてきた。


「あん?」


 こんな場所に人が来ることは滅多にない。


 空耳かと思い、眉をよせて首だけ後ろの玄関へ振り返った。


 ネコにも今の声が聞こえたのか、視線を冬我の後方へと移動させる。


 もちろん、この家にはチャイムなんて付いていない。


 中の人間を呼ぶためには聞こえるまで声をかけるしかない。


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