19の夏~私の愛した殺人鬼~
「ろくでもなかろうが何だろうが、客がここまで来てくれてんだ!
つべこべ言わずに出やがれ!」
「朝から怒ってばかりだと血管が切れて死ぬぞ」
「うるせぇ! 誰のせいだと思ってやがんだ!」
そんなやり取りをする声が数回聞こえた後、ようやく目の前の扉が開いた。
「あの、ここは――」
そう言いかけて、目の前に突然現れた上半身裸の青年に幸也は言葉を失う。
大きな黒目に、濡れて頬にペッタリと張り付いた漆黒の髪が妙に色っぽく、そして闇を連想させた。