piece

ごはん休憩も終わりスタッフルームから出ると
ちょうどトイレから航太が出てきた。
航太は海央に気付くと声をかけてきた。

「ごはんだったの?」

「おっ、あっ…はいっ!」

また答える前につまってしまった。
航太は軽く笑った。

「…さっきはタイミングよく来ちゃってすいません。」

海央は階段でのことを謝った。
あれは気まずかったかな、と海央は思っていた。

「あぁぁ…。
全然大丈夫だって!
忘れて?」

航太はそれじゃ…と言って席に戻ろうと歩き出した。
海央は会話失敗!と思った。

「ねぇ、うみちゃん。
…携帯聞いてもいい?」

海央はびっくりして
ただでさえ大きい目を見開いた。
ぱちぱち。

「080…」

「いいんだ!笑
待って待って!今出すから」

海央が急に番号を言い始めたので
航太は慌ててポケットから携帯を出した。

「じゃあ今日電話するね。
何時ぐらいならいい?」

「12時までなんで1時すぎなら大丈夫…」

「わかった。
俺もそれぐらいには帰ってるから
電話するね」

海央はわけがわからなかった。
どきどきする。
まだ航太が好きとか
付き合いたいとか
そんなことは思っていない。
今日は眠れないかもしれない!
海央はどきどきがとまらなかった。


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