心の友と書く『心友』がいますか?



とうとう鼻水まで出始めて、戻ってきた弥生がスカートのポケットからティッシュを取り出し、そっと私に渡してくれた。



ありがとね、最後までお世話になります。



私はグジュグジュと鼻を鳴らしながら、音が鳴らないように鼻水を拭って。





『卒業生退場』



進行役の先生の声でA組が立ちあがった。



原っちの合図で私達が立ちあがると、とうとう我慢できなかった後輩の女の子達が


「野々宮先輩!」「光先輩!」とノノちゃんに呼びかけていて、ノノちゃんは笑顔で声をかける彼女達を見ていて



「やっぱさぁノノちゃんってわが校のアイドル?」



振り返った菜々美はおどけるように囁いて



私は泣きながら鼻声で「そだね〜」と頷いていた。







教室に戻った私達卒業生は、卒業証書を持ってクラスメートと写真を撮ったりとワイワイやっていたけど。



私と菜々美の思いつきで、皆に提案したある事が見事採用され


写真撮影の合間に全員の協力によって原っちへのサプライズが完成したんだ。



涙もろい原っちは泣くかも。





< 212 / 239 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop