一途なカラダ。
「違うよ。
昨日言われたばっかりだからまだ慶斗には言ってない。」

「じゃあ、なんで?
あ、先輩に気兼ねしてるんだ!
そんなの一々気にする事なくない?
若菜が決めた事じゃないんだし、仕方ないんじゃないの?」

「そう……なんだけど。」

まぁ、若い男だとしても手を出される事もあたしがそいつを好きになる事もないだろうけど……。

「それにさぁ、本当に家庭教師が若い男ならかなりおいしいじゃん。」

「はっ?なんで?」

「だって若い男と二人きりだよー?
恋が芽生えちゃったりするかもじゃんっ。
あたしも家庭教師雇ってほしーい!」

「美和、あんた彼氏いるでしょ?」

「それはそれ、これはこれ。」

なんじゃそりゃ。

「それにイケメンだったらやばいー!!
過ちが起こっちゃったりしてー。
何の勉強するのよー!ってね?」

「やめてよ。
あたしが好きなのは慶斗なのに。」

それに、芽生えるはずも過ちが起こる事も有り得ない。

あたしは、あたしが好きなのは慶斗だけなんだから。

「ご、ごめんー。
冗談だよぉ。
若菜ぁ、怒らないで。」

「ふぅ。いいよ。
でも冗談でも次言ったら許さないからね。」

「うん、わかった。
本当にごめんね。」
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