【続】幼なじみは俺様王子。




……楓は、なんでもあたしのことを分かってくれている。


今だって、あたしがもっと楓と話していたい。もっと側にいたいって気持ち、ちゃんと分かってくれていた。


「もうそろそろ見張りの先生が来るからな。それに……」


「それに?」


不敵な笑みを浮かべる楓はあたしの耳元まで顔を寄せる。


首にあたる楓の柔らかな髪がくすぐったい。


「明日の夜もあるんだから、な?」


言い聞かせるかのようなその口調は、まるで何かの予告状のようにも聞こえて。


どこかドキドキした。



「じゃあな」と背中を向けて去っていく楓の背中を、嬉しいような、くすぐったいような不思議な気持ちで見つめる。


……楓が作ってくれたおにぎり。


あたしが作るおにぎりなんかよりもずっと見た目がいい。


なんかもったいなくて食べたくないな……。


このままガラスのケースにしまっておきたいくらい。


大袈裟に聞こえるかもしれないけど、心の底から本気でそう思った。





< 105 / 324 >

この作品をシェア

pagetop