【続】幼なじみは俺様王子。
……楓は、なんでもあたしのことを分かってくれている。
今だって、あたしがもっと楓と話していたい。もっと側にいたいって気持ち、ちゃんと分かってくれていた。
「もうそろそろ見張りの先生が来るからな。それに……」
「それに?」
不敵な笑みを浮かべる楓はあたしの耳元まで顔を寄せる。
首にあたる楓の柔らかな髪がくすぐったい。
「明日の夜もあるんだから、な?」
言い聞かせるかのようなその口調は、まるで何かの予告状のようにも聞こえて。
どこかドキドキした。
「じゃあな」と背中を向けて去っていく楓の背中を、嬉しいような、くすぐったいような不思議な気持ちで見つめる。
……楓が作ってくれたおにぎり。
あたしが作るおにぎりなんかよりもずっと見た目がいい。
なんかもったいなくて食べたくないな……。
このままガラスのケースにしまっておきたいくらい。
大袈裟に聞こえるかもしれないけど、心の底から本気でそう思った。