【続】幼なじみは俺様王子。
ベンチに寄りかかって、遠くを見つめている楓。
その横顔は照れているようにも見えて。
なんだかあたしまで恥ずかしくなってきた。
「そうだ。せっかくだしこれから4人で行動しない?」
瀬川クンが紳士的に微笑んでそう尋ねる。
「穂香、どう?」
答える前に、あーちゃんはそっとあたしに耳打ちをした。
断る理由なんてない。
「もちろん!」
そうしてあたし達は、4人で遊ぶことになった。
「……じゃあ、どこ行こっかぁ」
瀬川クンの隣で、近くにあるアトラクションをキョロキョロと見ているあーちゃん。
肩を並べて歩くその後ろ姿を見ても、やっぱり2人はお似合いだなぁ……て思う。
中学生の時のあーちゃんじゃ考えられない光景だなぁ……
そして、その後ろをついて行くあたしと楓。
隣の楓は暑いのか、シャツを摘み、バタバタと扇いでいる。
うっ……
なんか楓が涼んでいる姿を見たら、こっちまで暑くなってきた。