【続】幼なじみは俺様王子。




ベンチに寄りかかって、遠くを見つめている楓。


その横顔は照れているようにも見えて。


なんだかあたしまで恥ずかしくなってきた。


「そうだ。せっかくだしこれから4人で行動しない?」


瀬川クンが紳士的に微笑んでそう尋ねる。


「穂香、どう?」


答える前に、あーちゃんはそっとあたしに耳打ちをした。


断る理由なんてない。


「もちろん!」


そうしてあたし達は、4人で遊ぶことになった。













「……じゃあ、どこ行こっかぁ」


瀬川クンの隣で、近くにあるアトラクションをキョロキョロと見ているあーちゃん。


肩を並べて歩くその後ろ姿を見ても、やっぱり2人はお似合いだなぁ……て思う。


中学生の時のあーちゃんじゃ考えられない光景だなぁ……


そして、その後ろをついて行くあたしと楓。


隣の楓は暑いのか、シャツを摘み、バタバタと扇いでいる。


うっ……


なんか楓が涼んでいる姿を見たら、こっちまで暑くなってきた。




< 115 / 324 >

この作品をシェア

pagetop