【続】幼なじみは俺様王子。
いつもじゃ、楓がお弁当作ってくれるんだけど、なんとなく言いづらくて「お弁当作って」なんて図々しいことは言えなかった。
なんか、失って気づく有り難みってヤツかな?
楓の手作り弁当が恋しくなる……
メロンパンを一口かじりながら、そんなことを考える。
……なんか、すっごい悲しい。
「元気出しなって」
今まで無言でサンドイッチを頬張っていたあーちゃんが静かに口を開いた。
「まあ、確かに愛のことも水沢日向のことも、王子のことも色々気になるけどさ、考えてたって解決しないでしょ?」
説得力のある言葉にあたしはコクンと頷く。
「愛があたし達を避けているのだって、何か理由があるんだと思うし、水沢日向も……」
言葉を濁して、あーちゃんはサンドイッチを食べる手を止めた。
自然とあたしの動きも止まる。
「なんか引っかかるのよね……あの男」
眉間にシワを寄せて、考え込む。