春夏秋冬
と、いつきが私を見上げ、
「恋するっていい事だよ。優ちゃんモテるんだから恋すればいいのに」
「そんな簡単なものじゃないだろ。それに興味ないし」
「ふ~ん。でも恋をしてる優ちゃんも見てみたいなぁ」
「当分ないな」
「そんなの分かんないじゃん」
口を尖らせ手紙を突き返してくるいつき。その手紙を受け取りながら、私はいつきに隠れて軽くため息をついた。
別に恋をしたくない訳じゃない。ただ、どんなに手紙を貰っても、私の心は何も動かない。
恋に興味がないのか、人に興味がないのか分からないが、私は生まれてから一度も恋をした事がない。もちろん初恋もまだだ。
(どうしようもないもんな…)
恋をしてなくても、いつきや友達がいるから毎日楽しいし、ずっとこのままでもいいと思ってる。
< 5 / 148 >

この作品をシェア

pagetop