春夏秋冬
優は一気に駆け出し、男の胸倉を掴んでそのまま地面に押し倒した。
「てめぇ…何してんだ!」
そのまま殴ってやりたかったが、こんな奴より今は桜さんだ。
全身を震わせ、周りが見えていない桜さん。そんな桜さんにみんなが声をかけるが、その声は届かない。
「桜、落ち着いて!大丈夫だから!」
「来ないで…来ないで…触らないで…」
「桜さん!」
桜さんを守らないと。こんな時こそ私が守らないと、桜さんが苦しみ続ける。
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