ストリート




私を見てぼけーっと突っ立っている人。



おろおろと、挙動不審な人。



目を瞑って、静かに涙を流している人。



泣き崩れている人。



微笑んでいる人。



皆が違う様子で遠巻きに私を見ていた。


誰も居なかった公園。
なのに今は人が何人かいる。


別に今さら何とも思わない。


私が踊り終わったら、いつの間にか人が集まっている。



私はイヤホンを外して、単車にまたがった。


エンジンをかけて、公園を去る瞬間後ろから


「~~っリリー、ありがとう!!!」


と聞こえた。


それでも私は振り返る事も、単車を止める事もせず、そのまま走り去った。




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