♂GAME♀


《やっと捕まった》

最後に輝に会ってから、また3ヶ月が経ってしまってた。

久しぶりに聞く、受話器の向こうの声は不機嫌。

《最近いつ電話しても出ないし、忙しいんか?》

そう。
この3ヶ月は、擦れ違いの毎日だった。

輝からの着信を見て、かけ直すけど不在。
それを見た輝も折り返すけど、私が寝ちゃってたりした。

『ごめん…… 仕事が前より忙しくなっちゃってて……』

あれから派遣先を変えてもらったりしたし、少し勉強も始めた。

着々と輝に近づいていくという実感が嬉かった。

《まぁ、いいけど。 明後日、仕事でそっちの近くまで行くよ》

『え! 本当!?』

《少ししか自由に動けないけど、夕飯でもどう?》

『い、行く!! 絶対行きたい!』

嬉しい。
また輝に会えるなんて、嬉しくて堪らないよ!

《んじゃ、仕事終わる頃に連絡するよ》

『うん! 絶対ね!!』

クスクスと笑う声が聞こえる。

それだけで受話器の向こうの輝が見える気がするよ……

早く、明後日が来ないかなぁ……
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