♂GAME♀

――――――――――――




自己中。
傲慢(ｺﾞｳﾏﾝ)強引。

顔だけ男……


一番腹立つのが、急(ｾ)かされたせいでメイクが薄い事だ。


『はい、駅弁！』

新幹線に乗って間もなく、輝は私に弁当を差し出した。

どこでも売ってそうなシンプルな幕ノ内が２つ。
私と輝の分らしいけど、なぜか謎のトンカツ弁当が輝の膝にある。

って、まさか２つ食べる気じゃ……

という予想を裏切る事もなく、２つとも綺麗に輝の体内へと消えていった。

『痩せの大食い……』

羨ましい食べっぷりだったなぁ。

『この体型を維持するには、この量が必要なんだよ』
『……そう』

痩せてるけど、筋肉とかちゃんとあるし。
食べなかったら、モヤシみたいになっちゃうのかな？

『……何笑ってんだよ』
『んーん。 別に！』

だって、想像したら面白かったんだもん！

『足りなかったら私の食べていいよ？』
『え？ いいの!?』

あは、すごい嬉しそう。
大人なのに、男なのに、なんか可愛い。

『私、朝はあんま食べないから。 どうぞ』
『ありがとー』

もう、可愛すぎて笑えてくる。
止まんないよ。

『何だよ、笑ってばっかで……』
『あはは、気にしない気にしない！』

久しぶりかも。
こんな楽しいの。