♂GAME♀
気がつけば時効は閉園。
楽しい時は、本当にあっという間に過ぎてしまう。
そして……
『さて、風呂でも入るか!』
忘れかけてた旅館の存在。
『い……行ってらっしゃい……』
この狭い空間に光と2人。
私、無事に帰れるの!?
『何言ってんだよ。 綾香も入ってこいよ』
『あ、後で行くってば!』
カッとなって振り返ると、背後ではクスクスと馬鹿にしたように笑う輝が……
『期待してたって何もしねーよ』
なーんて……
期待してないっつの!!
『綾香が何かしてくれるんなら、大歓迎だけどね〜』
高らかな笑い声と共に、姿を消す輝。
下品だし、最低……
指一本、触れさせたりしないんだから!
と、意気込んでみたものの。
『何だそりゃ……』
大浴場から帰ったら、2つ敷かれた布団のうちの1つで、奴が寝息をたてていた。
いや、別に期待してたわけじゃないんだけどさ。
やけにアッサリしてるから、調子狂っちゃって……
ってか。
『天使の寝顔……』
起きてる時も、もちろん綺麗なんだけど、寝てると格別。
なんかもう、別の世界の人みたい。
肌荒れ一つない綺麗な頬に人差し指をグリグリと押し付けてみる。
憎らしい程の柔らかさ……
男でいる事が勿体ないよ。
いろんな場所をグリグリ、グリグリ……
『……やめろって……』
あ、起きた。
『スー、スー……』
……何だ。
寝言かよ。
『……咲耶……』
……んん!?