♂GAME♀


正直、あまり花に興味がないんだよね。
花よりだんご……みたいな?





『もうすぐ点灯するよ』
『……てんとう?』

辺りが薄暗くなり始めた頃、輝はそう言って高い場所に案内した。

高い場所に上ると、辺りが暗いのが目立って、余計に花が見づらくなる。

……つまんない。
だったら昼間の遊園地に行きたかったよ……

そう思ったその時だった。

『う……っわあ!!』

辺りにポゥと広がる色とりどりの光。

これは……

『イルミネーション。 期間限定なんだけどね』

凄い。
凄いよ!?

『花とか興味ないんだけど、これはマジで感動してさ』

うんうん。
本当に綺麗。

『遠征でここに来た時、綾香に絶対見せたいと思ったんだ』

光の丘。
光のトンネル。
光のシャワー。

そして、空にかかる七色のオーロラ……

見た事もない景色に、目も声も奪われる。


綺麗、綺麗、綺麗。
もうそれしか浮かばない。

『綾香』

ふと名前を呼ばれ、顔を上げる。
すると目の前には輝の顔。

『……キスしないでよ?』
『あ、バレた? 雰囲気に流されてくれるかなって』

……馬鹿。
せっかく人が感動してたのに。

でも、

『最高だよ……ありがとう』

こんなに綺麗な場所があるなんて、知らなかった。

『どういたしまして。 んじゃ、少し散歩しよっか』

幻想的な世界の中。
手を繋いで歩く。

繋いだ手の先には、誰もが振り返る男の子……

今さら解った。
皆が出張ホストにハマる理由(ワケ)。

こんなふうに夢のような一日が送れるからだ。

楽しくて、嫌な事全て忘れてしまえるような。
そんな一日を……
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