ボクは誰?

家庭崩壊

「何かあった?」


「有希…。あのね、お父さんとお母さんが離婚するの。」


『離婚』


まだ中学生のボクには、

それがどれだけ大変なのかなんて、

わかるわけがない。


「それで、お父さんとお母さんが『どっちについてくる?』って聞いてきたの。」


「史佳はどうするの?」


「お父さんもお母さんも、愛人と再婚するんだって。だからどっちにも行きたくない。」


「そっか。」


月並みな返事しかできないのが、

ものすごくもどかしい。

でも、

今は聞くしかできないから、

『うんうん』って頷きながら、

史佳の手を握っていた。



史佳。


ボクが守るから。

キミの騎士になるって、

決めたんだ。

力は前に負けたけど、

でも心を守ることならできるよ。




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