ボクは誰?
「史佳ー!」


大声で叫びながら、

こっちに向かってくる自転車が一台。




大貴だっ!




「史佳、あぶねーだろ?」


「大丈夫って言ったのに。」


「お前、『家に帰る』ってのは嘘だろ。」


「…うん。」


「俺には嘘つくなよ。」


二人だけで会話していて、

全然ボクの存在に気づいていない。

だから、

そっとそっと、



二人から離れた。


「あれ?高橋じゃん。お前、史佳と仲直りしたのか?」


さりげなく去ろうと思ったのに、

今になって気づくなよ。


「ああ、仲直りしたよ。」


「そっか。ならいーんだ。俺は帰るから、後は高橋よろしくな。」


そう言って、

大貴は行ってしまった。

ふと、

史佳の顔を見たら真っ赤!


「史佳、わかりやすすぎだから。(笑)」


「え?」


ボクは史佳を茶化して笑った。



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