好きを私にください。
「彼女です。」


先生、勝手な事言ってゴメンね。

でも、絶対に、この関係に戻ってみせる。


今言ったことは、嘘じゃなくて、本当にしてみせるから。


「3006号室です。」


ニッコリと笑ってそう教えてくれたナースさん。


「…ありがとうございます!」


…て、今思ったけど…14歳のあたしが彼女って言ったって…年の差的に、変?

変…だったかな。まぁ、いっか!!


エレベーターを待つ時間さえも惜しくて、階段を上った。

さすがにここまでの道のり走ったから、キツくてゆっくり上った。


先生、やっと、やっと会えるんだね。


もしかしたら持田のこと好きなのかもしれないとか思ってたけど…

お兄ちゃんに先生のこと聞いて…気付いたら走ってた。


やっぱり、先生が好きなんだなって…やっと気付いた。

あたし、気付かなかったよ…。


涙が零れそうになる。


あたし、泣き虫だもん。

それにね、甘えん坊なんだよ。


なのに、強がりなの。


だから、先生がいなくてすごく辛かったのに…強がってたんだ。


強がって平気なフリしてたから…気付かなかったんだね。


もうボロボロなのも、先生のことがこんなにも好きなのも。



ドアの前に立って、プレートを確認する。

ここに、先生がいるんだ…。


大きく深呼吸をしてから、


-コンコンッ


ドアをノックした。
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