不器用なシタゴコロ
それから。
電話は鳴ることもなく。
沙保と私はティールームで軽く休憩をして外に出た。
外の雨は止み。
ほんの少しだけど青空が見えはじめていた。
「これからどーする?」
「んー…夏服見たいかも」
「じゃあ駅ビル?」
「そだね」
沙保がよく行くお店は駅ビルに入ってる。
駅ビルならいろいろあるし。
最近行ってないからなんか新しいものあるかなぁ。
なんて。
思いながら駅ビルへ歩を進めた。
「あ、電話だ」
バッグの中から振動を感じたのか。
沙保がケータイを取り出した。
「…えー?お店だぁ…。なんの用だろー…」
ケータイのディスプレイに浮かんだ相手の名前を見て。
沙保は心底嫌そうな顔をした。
「何かしたの?」
「心当たりはないよー」
そう言いながら。
沙保は電話に出た。