不器用なシタゴコロ
その時。
微かに聞こえてきた周りとは違う音。
……ケータイ……?
私がバッグを開けたら。
音が少し大きくなった。
…やっぱり私か。
沙保みたくお店からだったらイヤだな…。
小さくため息を吐いて。
ケータイを取り出した。
………あれ?
取り出したメタリックピンクの私のケータイからは。
なんの音もしない。
でも音はさらに鳴り続ける。
ひょっとして…。
私は急いでバッグの中の心当たりを掴んだ。
さっきカフェで聞いた聞き慣れない音楽が。
黒いケータイから流れていて。
ケータイのサブディスプレイには。
“瑞希くん”の文字が。
さっきと同じように光っていた。