ミルクティー
さっきあったことを紗希に全部言った。

「あー、侑斗がね。莉緒に話かけてきて、手を握った、と」

「うん、で、けっこうその場面をいろんな女子が見てて睨んでたの」

話してるうちに段々涙目になってきてしまったあたし。

「あー、泣くな!…で、なんで中村君のことを龍って呼んでたの?」

「それは…龍がそう呼べって言ったから」

「そっかぁー。中村君はあんまり人には名前呼ばせないから莉緒は相当レアだね!」

え?そうなの?皆にそう呼んでもらってるじゃ…

「多分、女子で龍って呼んでるのは莉緒だけだよ」

「えっ…そんなに凄いことなの!?」

思わず教室中に聞こえるくらい叫んでしまった。

「声でかいって!…多分そうだよ」

「そ、そうかな…」

周りの女子にまた睨まれたあたし。

本当に居づらい雰囲気…。
< 12 / 193 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop