俺様彼氏に要注意!


湊先輩が図書室をでたあと、
あたしたちはお互いに違う方を向いていた。

あたしも波留先輩も黙っていて
沈黙が続いた。


そのうちにブラウスのボタンを留めようとしたけどなかなか留められなくて苦戦していた。


「大丈夫か?」
先に沈黙を破ったのは波留先輩だった。

「……」
せっかく話しかけてくれたけど
今は誰とも話す気分にはなれなかった。


ばさ……。

あたしの背中にブレザーらしいものが掛かった。

びっくりして振り向くと、波留先輩があたしの肩を抱くようにしながらブレザーを掛けていた。


「送ってく」

思いもしない言葉にまたびっくりした。

「大丈夫です…」

「大丈夫じゃないだろ」

そういって
先輩は、あたしを抱っこした。
いわゆるお姫様だっこだ。

「ちょっと!降ろしてください!」

「無理、車待たせてんだから急がねーと」

「いやー!降ろして!!」

あたしの叫びは
虚しくも誰もいない図書室に響いただけだった
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