1970年の亡霊
「尚、今回の案件は、相手が自衛隊という事もあり、デリケートな捜査になる。正式な捜査本部を設置する訳にも行かない。極秘任務になるという点を充分に認識した上で行動してくれ。いいな」
「はい」
三山は改めて事の重大さに、身震いを禁じ得なかった。
爆破テロ後、残っていた課員である程度のデータ修復を行っていたが、それはメインサーバーに関してであって、個々のコンピューターに関しては殆ど手付かずであった。その為、三山は自分から下山課長のコンピューターと、川合俊子のコンピューター修復に取り掛かった。
復職初日早々から、三山は時間を忘れ夜遅くまで、破壊されたデータの修復と格闘していた。その彼女の所へ河津が顔を出したのは、夜も十時を過ぎた頃であった。
「戻って来ていきなりサービス残業じゃ、傷も癒えないぜ」
「あらやだ、もうこんな時間だったのね」
「まずは、復職おめでとう」
「ありがとう。手代木さんに言ってくれたのね」
「その手代木さんから、さっき聞いたんだが、加藤刑事も加わるんだって?」
「ご不満そうだけど、叩き上げの彼は大きな力になってくれると思うわ」
「不満だなんて俺は思ってないが、先方はどうかな。初対面が余りいい感じじゃなかったみたいだからね。俺自身は、ああいうストレートな人間は嫌いじゃないぜ。で、ここまでで何か収穫はあったかい?」
三山は小さく肯き、液晶画面をクリックして見せた。
「はい」
三山は改めて事の重大さに、身震いを禁じ得なかった。
爆破テロ後、残っていた課員である程度のデータ修復を行っていたが、それはメインサーバーに関してであって、個々のコンピューターに関しては殆ど手付かずであった。その為、三山は自分から下山課長のコンピューターと、川合俊子のコンピューター修復に取り掛かった。
復職初日早々から、三山は時間を忘れ夜遅くまで、破壊されたデータの修復と格闘していた。その彼女の所へ河津が顔を出したのは、夜も十時を過ぎた頃であった。
「戻って来ていきなりサービス残業じゃ、傷も癒えないぜ」
「あらやだ、もうこんな時間だったのね」
「まずは、復職おめでとう」
「ありがとう。手代木さんに言ってくれたのね」
「その手代木さんから、さっき聞いたんだが、加藤刑事も加わるんだって?」
「ご不満そうだけど、叩き上げの彼は大きな力になってくれると思うわ」
「不満だなんて俺は思ってないが、先方はどうかな。初対面が余りいい感じじゃなかったみたいだからね。俺自身は、ああいうストレートな人間は嫌いじゃないぜ。で、ここまでで何か収穫はあったかい?」
三山は小さく肯き、液晶画面をクリックして見せた。