甘酸っぱい彼

しばらく向井君と話をしてた。本当は今頃一時間目が始まってる時間だったけど・・・。向井君は[今さら行っても意味ない。]とか言って・・・。話してる時はとてもあっという間で一時間目の半分くらいまで向井君とベンチで二人きり。でも、こんな二人の空間を打ち破ったのは・・・。

ガチャッ・・・ガタンッ・・・

「おま・・・相沢！　ここにいたのかよっ！・・・いったい何し・・・て・・・。」
「・・・修。　どうしてここに・・・？」
中庭の扉を開いて来たのはあの三人だった。
「なんや。百季ちゃん、ここにいたんかぁ・・・。心配したんやでぇ。」
「百季ちゃんっ！修ちゃんを心配させちゃだめでしょっ！修ちゃん必死で探してたのよっ！」
「そっ・・・そうなんですかっ！？・・・ごめんなさい。」
あたしは祐介が言った｛心配｝という言葉を聞いてドキドキした。
「おぃ。お前が相沢呼びだしたのかよ。・・・向井。」
修がキッと向井君を睨んだ。その目は今まで見たことない鋭い目で、とても怖かった。
「・・・俺、帰るわ。今日は仕事もあるし・・・。相沢、俺早退したって言っといて。」
「あっ・・・う、うん・・・。」
向井君はあたしにニッコリ微笑むと修たちを睨んで中庭からいなくなってしまった。

どうしよう・・・。あたしのせいだよね？　あたしが・・・ここに来たから・・・？　やばいっ・・・。

「おい、相沢。」
あたしはいきなり呼ばれて、ドキッとした。
「向井になんかされたか？　あいつ・・・、周りにいっぱい女いるから気をつけとけ。」
「あっ・・・はい。・・・あのっ、それより・・・。なんであたしを探してたの？」
あたしは気になってたことを修たちに聞いてみた。