FAST
世界一の臆病者
怖い。
人間が怖い。
鳥が怖い。
いや、生き物全てが怖い。
親が怖い。
男が怖い。
私は、びくびく震えながら、階段を降りる。


赤い絨毯にキラキラと輝くシャンデリア。
お皿に並んだ、ステーキ、ジュース、フルーツ。全部私のもの。
そこに座るパパとママ。ニコニコ笑いながら、笑顔を絶やさない。


私が臆病になったのは、きっと耳のせいと、
この環境のせい。


< 1 / 6 >

この作品をシェア

pagetop