This is us



「なんかさ、目が合うとドキドキしてさ!毎日四六時中その子で頭がいっぱいになるんだよ。会いたいな〜とかさ、思っちゃったりして!」


ニヤニヤと頬を緩める佐々木に、一瞬鳥肌が立った。


ドキドキ…?


会いたくなる…か。


ふと浮かんだ、小田切の笑顔に


『さとりちゃんが好きなの?』


と言ったなつめの言葉がリンクする。



「…俺さ、なつめに言われたんだ」


「ん?何を?」


「小田切の事、好きなんじゃないかって…」


佐々木が案の定ポカンとしている。


「お、小田切って…あの、小田切さとり…だよな?」


「あのって何だよ」



「いや…また何で小田切さんなの?蓮ちゃんのタイプだっけ?」



「知らねぇよ…好きかも分からねぇし」



もどかしくて、自分でさえ分からないこの感覚に、苛々する。

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