This is us

Side Satori




結城くんと撮ったプリクラを見て、何度もベッドの上ではしゃいだ。


き、キスしちゃった!!



あの時は驚きすぎて、何も言えなかったけれど。


ほんの一瞬、重なった唇がまだ鮮明に覚えていて。



もう頭の中はピンク一色だ。



「あああぁ〜」



もう心臓が止まってしまいそう。


恥ずかしくて、ジタバタと足を動かし、枕に顔を埋めた。



今日一日、一生分の幸せを感じられた気がするくらい。



すごくすごく楽しくて。



帰り際、この上ない寂しさが私を襲った。



もう少し一緒にいたかったって思ったのは、私だけなのかな…。


淡々と手を振って帰っていった彼を思い出して、切なくもなる。


きっと、私の方が結城くんに夢中なんだよね。



ほんの少し溜息を吐いて、プリクラを大事に手帳へしまった。




本当に、本当に。


私と結城くんは付き合っているんだよね?



それでも未だに信じられない私は、きっと大馬鹿者だ。


.
< 208 / 388 >

この作品をシェア

pagetop