This is us

「そんな時、結城と小田切さんが付き合ってるって噂で聞いた。初めは嘘だろって思った…でも何でかな、救われたような不思議な気持ちになったんだ」


「救われた…?」


「結城が相手じゃ敵わないし、どっかで諦めついたって言うか…まあ、原も結城にきっぱり振られて踏ん切りついたって言ってたし。なんか、すっきりしたんだよね」

佐々木以外の奴と真面目に話すのは、初めてだと思った。

相原って悪い奴じゃない気がする。

「何か結局何が言いたいのか分からなくなっちゃったけど…俺は二人を応援してるよ。色々大変かもしれないけど」

そう言って、相原は爽やかな笑顔を浮かべて俺に握手を求めてきた。

人間不信な俺だけど、その笑顔に見返りだとか利用なんてものは微塵も感じなくて。


素直にその手を掴んだ。



.
< 298 / 388 >

この作品をシェア

pagetop