This is us



今日はミーティングで部活が終わると言っていたさとりを待つことにした。

いつも通り、図書室の片隅で本を広げる。

放課後の図書室は、ほとんど生徒はいないし、キャーキャー騒ぐ女もいない。

唯一学校内で落ち着ける場所だ。


『同じ歩幅で歩くことも大事だ。けれどもっと大事なのは、同じ方向を向いて歩いているかだ。』

"月影"を読み進めていくと、俺には思いもつかない言葉が溢れていた。

ただの恋愛小説は、だいたい主人公と恋人はうまくいってハッピーエンドで終わるし、奇跡とか運命とか俺はあまり好きじゃない。


けれど、この作家が書く恋愛論は好きだ。

新しい世界にどんどん引き込まれていく。

時間も忘れる程夢中になって読んでいると、ポケットに入れておいた携帯が突然震えた。



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