君とワタシと貴女とボク
見つけた先

眩しい日差しが差し込む窓辺

ふぅと小さくため息をつく

「借りられちゃったのかなぁ…」

何回か本棚を回り、目当てのタイトルを探す
でも、努力虚しく本を見つける事が出来ない

小さく肩を落としながら、一冊だけ気に入った小説を手に、私は着席する

「………。」

静かに流れる、文字に囲まれた時間
好きな時間でもある

書に拡がる世界に身を委ねていると
ふと、テーブルに突っ伏せている男の子

「……ぁ」

ガタッと勢いよく立ち上がる
周りの注目を集めてしまった事に、謝罪の会釈をしてから
私は男の子に近づいた

彼の腕に埋もれているのは、紛れもなく私が探していた本
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