ねむねむおーじ<短>


どうやって関わるのかとか、分かんないけど、きっと私の名前さえも知らない水原君に名前くらい覚えてもらえる機会だと思う。


起こしてあげたら




少しくらい会話できるはず。







私は補習室に足を踏み入れた。







いざ踏み入れた補習室は、とても静かで。




ゆっくり水原君に近づく。





「………」


肩をポンポンと叩いて、名前を呼んで。

起こせばいいんだけど、その寝顔をあまりに綺麗で。



睫毛は長くて、すべすべな肌、漆黒の黒い髪、ピンクの整った唇。




ドキ…ドキ…





まるで物語の王子様みたい。











暫く見つめた後、私は自分でも信じられない行動をした。







ドキドキしている心臓。



鼻にかかる自分の家とは違う洗剤の匂い。




唇の甘い感触。







耳に聞こえた軽いリップ音。






「……っっ!」




自分のした行動に驚いて、口に手をあてる。








キス…しちゃった。





< 3 / 27 >

この作品をシェア

pagetop