☆ムーンチャイルド☆
友希が屋敷の裏へとやってくると、公太と光希が上を見上げていた。
『おっ、来たな友希。ほら、あれ見ろよ』
そう言って、公太が指差す先には2階のベランダがあった。
そして、そのベランダのガラス扉はほんの数センチ開いていた。
『ほんの数センチだけど、あの扉開いてるよな?ってことは…カギが開いてるハズ…』
公太は自信満々に告げた。
『あそこから中に入れるな』
光希は嬉しそうに告げた。
『でも、どうやってあそこまで…』
友希は不思議そうに尋ねた。
『この木を登って、枝を伝って跳び移れば良いんだよ』
そう言って、公太は背後の木に触れた。