☆ムーンチャイルド☆
『おウチに帰りたいよ…お母さん…』
友希の目には涙が溜まった。
『男の子が涙なんて、情けないわね』
突然、友希の耳に聞き覚えのある声が聞こえた。
友希は声のする方に目をやった。
すると、ドアの方にリンネの姿があった。
『君はお化け屋敷にいた…』
友希は名前を思いだそうとした。
『リンネよ。まさかあなたみたいな泣き虫で臆病者が選ばれるなんてね』
そう言って、リンネは呆れた表情を見せた。
『選ばれた?』
友希は涙を拭い首を傾げた。
『そう、この“MOON”と呼ばれる世界にあなたは導かれたのよ』
リンネはそう言って深く頷いた。