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あら、これはマズいかも。

「何度名前を呼んでもこなかったから、体調悪いの?」

そう聞いてきた姫島係長に、
「いえ…」

私は首を横に振った。

彼の名前を呼ぶ声が聞こえなかったとなると、私は相当なまでに重症じゃないの。

「すみません、ちょっと寝不足で…」

とっさに私はウソをついた。

だって、そうでもしなきゃ…ねえ?

「じゃあ、この資料10部ずつコピーね」

「あ、はい…」

私に資料を渡すと、彼はニコッと笑いかけると自分のデスクへと戻って行った。

本当に、私は彼のことが好きなんだな。

そう思いながら椅子から腰をあげると、コピー機へと向かった。
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