グレーに染まる




「…羨ましい?自由な私が」


「…うん。ちょっと」


「羨ましいって思ってんのは実行する気が無い証拠」


「…そんなの」


「無理?できない?…違う。する気が無いだけ。本当に自由になりたかったら自分で自分を縛ることはしない」


「…」


「まあ。自覚はしてるみたいだしまだましな方だな…自覚ない奴が一番タチが悪い」


「…はぁ」


「竜也、あんた煙草は?吸うなら吸っていいよ」


「…は?」


「ここ他の先生立ち入り禁止にしてあるから吸いたきゃ吸っていいよ」


「え…ちょ…い、良いの?普通先生なら怒るっしょ?」


「だから私は先生じゃないし。私には普通とか無いから…それに自分も学生の頃から吸ってたし」


「あ…そう。…じゃあ」



そう言ってポケットから煙草を出し火をつけて吸うと、少し遠慮ぎみに煙を吐いた



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