”ただ、愛されたかった…”
 いたずらが、すごい好きなおばあちゃんだった。

 昼寝したらもう、大変。

 顔にらくがき、ひどい時は、お尻にまでらくがきが、してある。

 起きない瑠理もすごい。

  
 ある時、おばあちゃんが、外でみみずを掘っていた。

「おばあちゃん、魚釣りでもいくの?」

 おばあちゃんは、笑ってるだけ。

 その日は、おばあちゃんの一番末っ子の娘が遊びに来ていた。昼寝してた。

 見ていたら、昼寝しているおばさんの煙草の箱に、みみずをいれた。

 思わず


 「え~」

 びっくりした。

 起きて、煙草の箱を開けたおばさんは、もっとびっくり…。

 みみずっていうのは、気持ち悪い。あの姿が嫌だ。

 でも、感心する。

 おばあちゃんのみみずを掘る所から始めるいたずらに。

 あの時のおばあちゃんの嬉しそうな顔、

 忘れられない。

 おばあちゃんが、死んでしまってからの方が、おばあちゃんの事わかった気がする。

  
 おばあちゃんにだけ、

 本音を言ってた気がするよ。

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