”ただ、愛されたかった…”
 2歳年上の、普段穏やかな雅也が切り出した。

 「沙織、瑠理に嘘いったよね。誰も、瑠理の事、生意気なんて言って無いじゃん。

 なんで?」


 沙織は、何も言えずに黙って、下を向いていた。


 瑠理は、沙織の言葉を、待っていた。

 早く謝って欲しかった…。怒りからでは、ない。

 瑠理自身、この空気に耐えるのが、しんどかったから…。

 早くこの時間が、過ぎて欲しかった。

 これでは、沙織より、ひどい事をしている…。

 自分一人で、解決せずに、周りまで味方につけて、正しいとか間違ってる

 とかの問題ではなくて、やり方の問題。

 卑怯なやり方…。



 

 長い沈黙…がつづいた…。   

 
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