ゴシップ・ガーデン
ヒオカ先生は、
所作が落ちついていて
静かな人って感じかな。



でも。


日に日に花を咲かせていく
バラのように、

会えば会うたび
表情が豊かになってく。

少しずつだけど。


慣れ親しんできたから?


あたしと同じ、
人見知りなだけなのかも。



もっと親しくなったら、

きっともっと
いろんな顔が見れる。




バラの成長が気がかりなのは
嘘じゃない。


けど、バラが目的なのか、

バラをヒオカ先生に会う
口実にしちゃってるのか、


あたしは
わからなくなっていた。




満開まであともう一息。












「…わぁ…キレイ…」



ゴールデンウイークも明けて、
5月も半ばになった頃。



いよいよ満開をむかえて
咲きそろったバラを見渡して、

あたしはため息をついた。





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