正反対恋愛
空き教室に入り、
すぐさま口を開いた。


「何か用?」

「矢吹くんが好き」

「……。」

いきなりかよ。
って告白!?

「あたしじゃ…ダメ?」

「ダメってか……」

「な、何?」

「俺あんたのこと知らないし」


多少は噂で知ってる。
けど名前も知らない。
クラスも知らない。

そんなんで付き合えねぇ。

「…だよね」

「だからごめん」

「あたし諦めない」

「…は?」

「それだけ覚えてて」


そう言って姿を消した。

何なんだよ、あいつ。
つか名前くらい言えよ。


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