"code = choice"
「おいおい、オヤジ・・・」
拓郎がうついて、頭を抱える。父といい、拓郎の父親といい、なぜこうも事件に関わっているのやら。
そんな僕たちを尻目に、阿部先生が端末の前に座り、椅子の高さを調整し始める。
「それでは、そのウィルスを拝見しましょうか」
「ウィルスを駆除できればベストですが、進行を遅らせて頂ければ十分です。24時間後には、新システムが始動しますので」
「分かりました」
男性は一礼して扉の前まで歩いて行くと、振り返って僕たちを見回した。
「もし・・・もしも、原子力発電所がテロリストの手に落ち、故意にメルトダウンを起こされると、通常の何万倍という放射能が漏れてしまいます。
ここ東京を含む2000万人以上の人たちが、ハイレベルの放射線を浴び、すべての首都機能が壊滅します。
・・・どうか、よろしくお願いします」
男性はもう一度頭を下げると、会議室を出て行った。
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