一番星

どれくらい待っただろうか。

入り口に出来る影。
男の懐から出される数枚の紙切れ。
それを受け取る女。

ああ、やはりそうか。

最後まで信じたくはなかった。援助交際という事実。
やはり、まじまじと見せつけられると流石にショックを受ける。

しかし、俺の思いは変わらなかった。

今思えば、なぜ他の女に心移りをしたのかわからない。

若気の至りとでも言うのだろうか。

だったら、俺は青春という物を恨みたい。
そのせいで、彼女を手放すことになったのだから。

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