【完】あたしとお兄ちゃん〜秘密の関係!?〜
 
 四方を教室や渡り廊下に囲まれて、中央には四季折々の木々や草花。

 その間を砂利の敷かれた道が作られていて、脇に石造りのベンチがいくつか置いてある。

 見上げると、ぽっかりと穴が空いたように見える高い空に、近づく秋を感じた。

 放課後の中庭は人が少ない。
 
「この辺にしよっか」

 促されてぎこちなくベンチに腰を下ろす。

 男の子にしては低いけど、あたしより断然高い身長。

 前屈みにこっちを見てる。
 口元は笑ってるけど、そのまっすぐな瞳はしっかりあたしを捕らえてて、

 いつもより濃い空気を感じて、挙動不審なほど目が泳ぎまくるあたし。

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