ツインの絆
大輔の決勝戦の相手は、大柄で目つきの鋭い剣士だった。
面越しにもその目つきの鋭さが伝わって来る。
大輔も決して小柄な高校生では無いが、
173センチの大輔でも大人と子供の雰囲気だ。
「エイッ。」
大輔が鋭い気合いと共に飛び上がって相手の面を狙った。
が、相手は予想していたように軽々と受け、
すかさず大輔の小手を狙って来た。
普通ならそれで小手を取られているだろうが、
反射神経の良い大輔は辛うじて払った。
その時に異変が起きた。
いや、感じたのは孝輔だけだったかも知れないが…
一瞬孝輔の肩に痛みが走った。
大輔… 今の払いで大輔の肩のひびが…
治ったはずなのに振り返したのかも知れない。
この相手は今までの相手より打ち込みの力が強そうだ。
面をつけているから大輔の表情は分らないが、
孝輔には大輔が苦痛に耐えているような顔に見える。
「おかしいなあ。大輔の動きが鈍くなった。
疲労度は相手も同じはずだが… 」
広志も大輔の異変を感じたのか、
辛うじて隣にいる孝輔に聞こえるようにつぶやいた。
確かに攻撃しているのは相手だけ、
大輔は必死で防御しているだけのように見える。
こんな動きは今までの大輔ではない。
仲間達も心配そうな様子で応援している。
が、最後の五秒と言うところで大輔は勝負に出た。
「突き。」
相手の打ち下ろす竹刀を受けながら、
一瞬の隙を見つけて胴に一本、見事な突きを見せた。
「勝った。大輔が勝った。うわあー・・」