君に幸せの唄を奏でよう。
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「どうしよ。これ……」
休み時間。あたしは、ある問題に直面していた。
「どうした?」
亮太たちが、不思議そうに話しかけてきた。
「課題出すの忘れてた……」
「なら、すぐに出しに行ったら?」
浩ちゃんは、何でそんなことで悩んでいるの?という顔で言う。
「そうなんだけど……」
「けど?」
「あの鈴木先生が、何も言ってこない」
あたしの一言で、みんなが沈黙する。普通なら、朝のHRに課題を出さなかったら怒られる。なのに、何も言ってこない。
「だから、逆に怖くて行けないのよ」
どうしたらいいのか分らなくなって、はぁと重い溜息が出る。
「高橋」
突然、浩ちゃんが穏やかな声であたしの名前を呼ぶ。振り返ると、あたしの肩に手を置いて、とても爽やかな笑顔で----
「当たって砕けてきな」
「はい?!」
浩ちゃんが言った意味が分からず、あたしは目をぱちくりさせた。
「そ、そうだね。私も出しに行った方がいいと思う」
何故か、佳奈は気まずそうにあたしを見る。
「そうだな。まぁ、とりあえず……」
「とりあえず?」
何故か、亮太が言葉をためた。不思議に思いながらも、次の言葉を待っていたら。
「「「いってらっしゃい」」」
みんなはとびっきりの笑顔で、あたしを送り出そうとした。
「そんな~」
もう、あたしには後がない。どっちにしろ、あたしの運命は決まっている。
「…上等ッ!!こんな所で人生終わってたまるもんかッ!」
あたしは、拳を胸の前に出しながら決意する。だったらもう、立ち向かうしかない。こんなところで、負けるわけにはいかない。