君に幸せの唄を奏でよう。
「別の事でイライラしてて、2人に対してイライラしてたんじゃないんだけど…」
何て言えばいいのか分からなくて、パニックになってしまった。
「不愉快な思いをさせちゃって、ごめんね」
もう一度、精一杯2人に謝る。だけど、反応が無いから、怒ってるんだと思って恐る恐る2人をチラッと見た。
「よかった」
突然、佳奈が安心した表情で言った。私は、佳奈の言葉の意味が分からなくて、頭の上に【?】がたくさん浮かぶ。
「私、唄希ちゃんに嫌な思いさせちゃったのかと思って。だから、理由聞いてホッとしたの」
「ごめんね。誤解させちゃて」
佳奈の言葉を聞いて、嫌な思いをさせてしまった事に胸が痛む。だから、もう一度謝った。
「まぁ、理由が分かってよかったけど、このままだったら僕が怒りに行く所だったよ」
「な、なんて言うつもりだったの?」
浩ちゃんの言葉に、恐る恐る耳を傾ける。
「いい加減にしろ。言いたい事があるならはっきり言えってね」
「ごめんなさい、もう二度としません」
浩ちゃんは今だからこそ笑顔で言ってくれているけど、浩ちゃんの声色があまりにも恐ろしく深く深く頭を下げた。
「それで、浩ちゃんが唄希ちゃんに言いに行こうとしてたから止めてたの」
佳奈の言葉を聞いて、亮太の言葉を思い出す。亮太は、この事に気づいて1人であたしの所に言いに来てくれた。
後で、亮太にちゃんとお礼を伝えなくちゃ。
「まぁ、謝りに来たから許すよ」
浩ちゃんは、許してくれた。皆の優しさに、あたしは改めて感謝をした。