◆◇遠い日の約束◇◆





「………栄華の吹部は川崎第二以上に練習を積んだつもりよ」





飛鳥がそう反撃する。





「栄華はさ、天才が揃ってるのよきっと。
だって川崎第二の吹部見てよ、全員ギャルかヤンキーだよ??
天才が揃ってるだけで練習もろくにしない栄華が全国コンクールに出場するなんて許せない。
―――――また今回も藤井飛鳥に負けるなんて耐えられない」





果菜は涙目でそう言った。




「……てめぇさっきからごちゃごちゃごちゃごちゃうっせーんだよ。
飛鳥のこと傷つけてるって分かっ…」





翼の声を遮り、私は思ったことを声に出していた。






「飛鳥に負けるなんて耐えられない…?
何言ってんのあんた。
正真正銘の馬鹿?」





言いたいことがありすぎて止まらない―――――





「確かに負けるのは悔しい。
でもそれが自分の実力であって、相手の実力なんじゃないの?」






< 122 / 130 >

この作品をシェア

pagetop