『あなた』へ
『久しぶり、なんかあったの?』



少し離れた所からみんなを見ながらお酒を飲んでた私に、何かを知っているような笑みでマスターが話しかける。



『どうせ知ってるんでしょ〜?』



『まぁ〜ね〜

そういえばさ、昨日来て泣いてたぞ』



昨日来たのはもちろん彼のことだ。



(泣いてたって・・・

誰になんて言われようが決めたことだから・・・

私の決意は固いんだから!!)



『まぁ、俺はどっちの味方でもないから安心しなよ

あいつが俺に愚痴ったりするのは俺からお前に話しが行く様にわざと俺に言ってくるんだよ』



(・・・私は・・・

悔しいけど正直彼のことがまだ好きなのかもしれない・・・

忘れたいのに忘れられない・・・

年明けたら新しい人生にするって決めたのに・・・

こんなことなら出逢わなければよかったのに・・・)
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