《完》極上☆SWEETS!!② 〜蜜色の凱旋門〜
「チッ……。

完全に出番なしだったな」


自嘲的に呟きながら、ポケットに
手を入れ、中の物をつかみ出す。


掌におさまるほどの、小さな紙製
の小箱。


フタを開けて確認すると、途中で
忘れて無造作に扱ったにも関わら
ず、入れたときと同じ状態で
中身が姿を現した。



――明るい色の装飾を施した、
いくつかのボンボン・ショコラ。



亜莉紗のデザイン画をもとに、
何度も試行錯誤して。


――今夜ようやく、納得のいく
仕上がりにできたものだった。



「イチバンに見せてやろうと思ってたのにな。

見もしないで帰りやがって……」


皮肉なもんだ。


コレは亜莉紗の『恋心』を形に
したもの。


それが今、自分の手の中にある
のに。


実際の亜莉紗の姿と心は、今
どこにあるのかもわからない。
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